40代になって、ふとバイクのことを思い出す。若い頃、風を切って走ったあの感覚。仲間と走った峠道。心が自由だったあの瞬間。
あなたにも、そんな記憶はありませんか? 昔、夢中になったバイク。家のガレージで磨いたタンク。夜のコンビニに集まった仲間たち──。
今、もう一度バイクに乗れるとしたら──あなたはどうしますか?
この記事では、かつて16歳でバイクに夢中になり、40代でリターンした筆者が「再びバイクに乗るまでの道のり」や「選んだバイク」、「復帰して感じた落とし穴」などリアルな体験をベースにお届けします。
不安もあるけど、バイクとの再会は人生に新しい風を吹き込んでくれます。この記事が、あなたが再びバイクと出会うきっかけになれば嬉しいです。
「もう一度、バイクに乗りたい」──リターンライダーのきっかけは“あの頃”の記憶
40代に差し掛かる頃、家庭や仕事がひと段落すると、ふと心に浮かぶのは「昔、夢中になっていたもの」。私にとってそれは、16歳のときに出会ったバイクでした。
初めて手に入れたのはCBR400F。走り出せば、マフラーから漂う匂いと夏の空気が混ざり、鼻先に焼きつく。峠を攻め、夜のコンビニ前で仲間と語り合い、ただバイクに乗ることがすべてだったあの頃──自由そのものでした。
やがて月日は流れ、気づけば40代。家族を持ち、責任を背負い、忙しさの中で「自分」がどこかに置き去りになっていた。
リターンライダーにおすすめのバイク3選|扱いやすくて安心、“気分は16歳”に戻れるモデルたち
40代・50代から再びバイクに乗るときに、最も大切なのは“無理のないバイク選び”。
「昔と同じ400ccでいいかな?」と思いがちですが、現代のバイクは性能・安全性ともに大きく進化しており、選択肢も豊富です。今回は、リターンライダーとしての復帰を快適かつ安心にする、おすすめの3モデルをご紹介します。
HONDA CB1100EX|空冷4気筒の鼓動と美しさに酔う
筆者の現在の愛車でもあるこのモデルは、懐かしさと現代的快適さが見事に融合しています。低重心で取り回しもよく、街乗りでもツーリングでも余裕あるトルクで応えてくれる一台。
空冷4気筒エンジンの繊細なフィンの造形や、クラシックな丸目ライトの佇まいは、まさに“大人のためのバイク”です。心が静かに高揚する瞬間が、また戻ってきます。
Kawasaki W800|クラシックの中に宿る安心感
縦置きバーチカルツインが奏でる独特の鼓動感。W800はそのスタイルも走り味も、「昔ながらのバイク」を愛する人にとってたまらない魅力を放っています。
見た目の渋さとは裏腹に、ABSやアシストクラッチなど、現代のテクノロジーがしっかり備わっているため、リターンライダーにとって頼れる存在です。エンジン始動時の“トン…トン…”という音に、心までリズムを刻まれる感覚が蘇るでしょう。
YAMAHA SR400|キックスタートが教えてくれる“あの頃”
生産終了後もなお愛され続けている名車SR400。キックでエンジンをかけるという儀式すら、青春を思い出させてくれる特別な時間に。
軽量・シンプルな構造で整備性もよく、バイクとじっくり付き合いたい人に最適です。体力に不安がなければ、これ以上ない“16歳の再現機”になるでしょう。
バイク選びで最も大切なのは、「今の自分に無理がないこと」。過去の記憶に引っ張られすぎず、でも“心がときめく一台”を選ぶ──それが、長く楽しくバイクライフを続ける秘訣です。
そんなある日、すれ違ったバイクのエンジン音が胸の奥を震わせた瞬間、「ああ、また乗りたい」と思ったんです。
バイクは、単なる移動手段ではありませんでした。“かつての自分”と再会するためのタイムマシンであり、人生の中にある“自由”を取り戻す装置だったのかもしれません。
“もう一度、あの風を感じたい”──それは決してわがままではなく、人生を豊かにするための自然な衝動なのだと、今なら胸を張って言えます。
「昔と同じように走れる」と思ったら危険?リターンライダーが気をつけたい3つの落とし穴
バイクに戻るときに最も気をつけたいのが、「昔のように乗れるはずだ」という思い込み。これは多くのリターンライダーが陥りがちな“落とし穴”です。
落とし穴①:スキルの“錆びつき”と判断力の衰え
長年のブランクがあると、Uターンやスラローム、急制動といった操作感覚は大きく変わってしまいます。「まさか自分がエンストするなんて」と戸惑うこともあるでしょう。私自身、中型から大型へのステップアップで教習所に通い、何度も8の字練習を繰り返すことになりました。まずは“リハビリ走行”を意識し、無理なく感覚を取り戻すことが大切です。
落とし穴②:体力・視力の変化を見逃す
バイクの引き起こしや長距離ツーリングは、意外にも体力を消耗します。さらに、視力や反応速度の低下により、以前と同じようには走れない場面も出てきます。メガネの見直しやサポーターの使用、軽い運動習慣など、体への備えを怠らないことが、安全なリターンへの第一歩です。
落とし穴③:「まあ大丈夫だろう」という過信
過去の感覚に頼って無理をすると、予想外の操作ミスや危険な場面を招きかねません。現代の交通状況や車両の性能は、昔とはまったく違うもの。まずは初心者向けの講習会や、ペーパーライダー向けの安全講座を受講することを強くおすすめします。「もう一度学び直す」という姿勢が、不安を自信に変えてくれます。
まとめ|人生の後半に、もう一度バイクを楽しむという選択肢
- リターンライダーは40代〜60代で再びバイクに戻る層
- きっかけは「自由だったあの頃」の記憶と自己回帰への願い
- おすすめモデルはCB1100EX、W800、SR400などネオクラ系
- 昔と同じ感覚では危険。スキル・体力・交通環境の変化を認識すべき
- 再訓練・講習の受講、安全装備の見直しが重要
- バイクは人生の相棒であり、大人にこそ必要な“自由”の象徴
バイクは、若さの象徴ではありません。むしろ、“時間に余裕ができた大人こそ”、じっくりと楽しめる乗り物です。
リターンライダーとしてバイクに戻ることは、単なる懐古趣味ではなく、新しい人生のフェーズにおける「心の再起動」なのだと、私は感じています。
不安があるのは当然。でもその先には、あの頃のように風を切って走る喜びが待っています。そして、今のあなたには、当時にはなかった余裕、経験、そして“本当の豊かさ”がある。
まずは近所のバイクショップをのぞいてみる。そこから、もう一度バイクとの時間が始まります。
